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授業概要

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 「共通絵画」の授業では、「石」「樹根」「廃棄自動車」「人体」をモチーフとして、「造形の基礎を探求する」ための絵画表現を試みます。
 ここに選ばれているモチーフは、「自然物」を主としています。それは「自然物」が、人間の解釈や概念(ものごとの概括的な意味内容)に先立って存在し、無限の魅力を持っていると考えるからです。授業では、こうしたモチーフを「見て、描く」絵画制作をとおして、対象をどのように「見て」いるか、どのように「感じて」いるかが問われます。

 そのためには、自分自身を自由に解き放つ試みが必要です。そして、既成の概念(これまでに習い覚えたデッサンや絵画表現)を一度白紙に還元し、異なる視点から多様な絵画表現を追求します。
 授業は、モチーフと向き合い、モチーフに対して思いをめぐらせることから始まります。そこから、これまでにはなかった発見や発想、方法を模索し、描画材や基底材を自由に選択します。それは、これまでに習得した技術や経験、発想や方法から、遠く離れた位置で制作を開始するということです。
 制作の起点とともに、そのすべてのプロセスも学生の自主性に任されています。制作は、さまざまな感覚的判断の連続で進行していきます。その中で、「モチーフ」「自分」「作品」三者の対決的な姿勢が求められます。

 この授業は、教育理念に掲げる「挑戦するプロセスから生まれる、一人ひとりの未知なる自己の発見」を期待するものですが、アトリエにおいては、感性や個性を刺激しあう、若者のエネルギーであふれる「挑戦(実験)の場」となればと考えています。

 また、[造形総合科目Ⅰ類〔必修〕絵画Ⅰ]の一部の学科の授業では、入学試験の多様化によりデッサンなどの実技経験が少ない学生を対象とした「鉛筆デッサン基礎」クラス(F)を設けています。

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